ペルチェモジュールの使い方  
 右図のようにペルチェモジュールの冷却(加熱)システムは基本的に冷却ユニット、温度コントローラ、DC電源からなります。冷却ユニットはペルチェ、放熱機(ここではヒートシンクとファン)、ヘッダがありヘッダには温度センサが取り付けられます。この冷却ユニットに温度コントローラと電源がつけられて被冷却物が設定温度になるように制御します。放熱機の設計は冷却温度、発熱や被冷却物に入ってくる熱量を考慮して熱設計を行います。DC電源の電圧は通常最大電圧の50〜80%の電圧を選定します。冷蔵庫などの場合はヘッダもヒートシンクにしてファンを取り付ける場合もあります。
 熱設計など面倒くさいという行動派の方には次のような仕様で作ってから改良するのもいいでしょう。ただし大雑把な仕様設定ですので動かす時には十分注意してください。
1  ヒートシンクの大きさ(断面)はペルチェモジュールの辺の3倍程度の辺を持つものを選ぶ。
   例えばペルチェが40角ならヒートシンクは120角程度
2  ファンはヒートシンクの大きさ(断面)の70〜100%程度の大きさ(口径)のものを選ぶ。
   例えばヒートシンクが120角ならファンの口径はφ80〜φ120
3  電源はペルチェモジュールの最大電圧の50〜80%程度のものを選ぶ。
4  温度コントローラはPWMタイプを選ぶ。
   (オン・オフ制御も可能ですが、お勧めしません。)
 
 温度コントロールなど必要ない、冷えればよいという方にはDC電源とペルチェモジュールを直結するのも可能です。
  その他安全を考慮してヒューズなどを取り付けてください。
 ペルチェモジュールは被冷却物とヒートシンクを右図のように密着させて使用します。接合面に空気が残っていると熱伝導が悪くなり性能が発揮できなくなったり、放熱ができにくくなるため温度が上がり半田が溶けてしまうことがあります。サーマルグリース等を塗布した後何度か接合面をすり合わせて空気を抜いてください。ペルチェとヒートシンク、ペルチェと被冷却物の取り付け方法は次の通りです。
1  被冷却物とヒートシンクの間にペルチェモジュールを挟み込みボルトで締め付ける。ただ強く締めすぎるとペルチェが破損する場合があります。スプリングを介して締め付けると過大な締め付けを防げます。
2  半田付けによって接合する。この場合熱伝導が最もよいので性能を発揮しやすいのですが接合に技能が必要です。(半田付け用にプレーティングしたモジュール)
3 熱伝導の良い接着剤で接合する。
 ペルチェは電流の方向で高温面と冷却面が決まります。特に高温面が指定されていなければどちらを高温面にしてもかまいません。ただ電流の方向と高温面・冷却面の関係は、弊社で扱っているペルチェモジュールにおいては右図のような関係になっています。また多段のペルチェは面の小さい方が冷却面です。冷却面を実際に確かめたい場合は1.5Vの乾電池を1〜2秒接続し触って確かめることができます。高い電圧や長時間電流を流すと高温サイドが熱くなりますのでやけどに気をつけてください。

注意点
1  ヒートシンクをつけないで駆動すると半田が溶けて故障します。
2  結露する場合や湿度の高いところで使う場合はシーリングしたものを使ってください。

 
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