上の左図でN型半導体側の金属にマイナス極が接続されています。したがって電圧によって電子はこの金属の伝導帯からN型半導体の伝導帯に押し上げられます。この時、金属の伝導帯とN型半導体の伝導帯にエネルギーギャップがあるため電子は金属から熱エネルギーを奪いその結果この金属を冷却します。引き続いて電子は流れ、N型半導体の伝導帯から金属の伝導帯に落ちます。両バンドのエネルギーギャップによって電子は熱エネルギーを放出します。このようにしてホットサイドの金属を加熱します。さらに流れてきた電子は金属の伝導帯から、P型半導体の中を流れてきた正孔に落ち込み熱エネルギーを放出し、ホットサイドの金属を加熱します。P型半導体の中では電圧によって正孔が生産されコールドサイドからホットサイドに流れます。その時に生じた電子が電圧によってコールドサイドの金属の伝導帯に押し上げられ、それらのエネルギーギャップに応じた熱エネルギーを奪いコールドサイドの金属を冷却します。このように電流が流れることによってペルチェモジュールのコールドサイドからホットサイドに熱が運ばれることになります。電流によって運ばれる熱エネルギーの他に熱伝導によって運ばれる熱エネルギーがありますが熱伝導によって運ばれる熱エネルギーは流れの方向が逆のため少なくするほどペルチェモジュールの性能が良くなります。つまりホットサイドの熱エネルギーをヒートシンク等でできるだけ早く取ってやることがペルチェモジュールに良い性能を発揮させることになります。 |